〔短編〕また、3分後に夢の中で。
すごく楽しい話で、すごく印象深くて。

忘れない、忘れるはず無い。

なのに…。

そんな記憶は元々無いみたいに、わからなかった。

「どうしたんだよ。」

「思い出せなくて。」

「何を?」

「すごく楽しい話。
何だったかしら…。」

「思い出せない…?」

「…まあ、思い出せないってことは、大した話じゃないのよ。」

「待て!」

「…何、急に…。」

「思い出せ!考えろ!」

男子生徒の必死の形相に、私は何も言えなくなった。

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