〔短編〕また、3分後に夢の中で。
男子生徒は悲しそうに私を見つめる。

その瞳が、その表情が、すべてを物語っていた。

「そう…。」

「思い出した…のか…。」

「私が死んだことはね。」

「…死んでねえよ。」

「…何言ってるの。」

「お前は、生きてる。」

男子生徒の目は真剣で、それでいて何かに怯えているようだった。

あの幸せそうな表情とは大違いね。
私はくすっと笑った。

「…バカね…。」

バカだわ。本当にバカ。

「…私は、死んだのよ。」

途端。

私の目に、耳に、私の全てに蘇る記憶。

鮮やかに、綺麗に。

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