Addicted to you
 楽しい時間は、いつだって無情にも急速に過ぎてゆく。
 一緒にいるだけで満足だと思っていても、もっと一緒に居たいと膨れゆく願いは尽きることない。

 瀬戸内さんと出会って4日目の夜。
 私は瀬戸内さんと映画を見に来ていた。

 内容は今話題の推理サスペンス物。
 物語りもいよいよ大詰めって時に、私の左肩に何かが触れた。

 どうしたのかと思って見れば、隣に座っている瀬戸内さんの頭が私の肩にのっていたのだ。

 映画を見ている間に寝てしまったらしい。

 肩に感じる瀬戸内さんの体温と重み。
 安らかな寝息が聞こえ、私の胸が苦しくなる。

 瀬戸内さんの寝顔を見ていると、改めて自分がどれほど瀬戸内さんを好きなのか実感してしまった。

 私は明日帰らなくてはならない。
 甘く痺れるような切ない胸の痛み。

 離れたくない。
 好きだから、ずっと傍にいたい。

 出会ったばかりで、想いを返してもらえるなんて思わないけれど、せめて私の気持ちだけでも受け入れて欲しいと願ってしまう。

 溢れるばかりの想いを持て余していた私・・・・・・・・・。

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