好きだからBLの恋
土曜日の昼頃。
研究もひと段落し、やっと起き出してきた風人は、居間に兄の姿を見つけて驚いた。
いつも土曜日は休日出勤の仕事中毒の兄様が家にいる。
ジーンズに白のVネックシャツのラフな姿だ。
これから出勤するようには見えない。
「あれ? 兄貴、仕事は?」
「休みだ」
その言葉に、久音が前に仕事を減らすようなことを言っていた事を、おぼろげに思い出す。
そう言っていたのは、つい数週間前のことだ。
「あら、やっと起きたの?」
そう言って、庭から母親がひょっこりと顔を出す。
風人は父親似だが、久音は母親似だ。
母親は、成人した2児の息子がいるようにはとても見えない程若々しく美人で、男の久音が綺麗だと言われるのはそのせいなのだろう。
「はらへった~」
「こんな時間に起きてきてなんですか。だったらもう少し早く起きていらっしゃい」
「だってよー。来月にはまた新しい研究も始まるんだぜ。今だけなんだからいいじゃん」
情けない声を出して、寝癖でグシャグシャの髪に緑のスウェット姿の風人に、母親はしかたないわねと、ため息をつく。
「丁度、お庭を少し手入れしようとしたのにあなたは・・・そう言えば! ちょうど試したい新しいメニューがたくさんあるの。全部食べてくれたら許してあげるわ」
「ええっ~!」
風人の表情が嫌そうなものへと変化する。
母親が新しいメニューだと出すときは、量も数もはんぱではないのだ。
その度に、家族で大変な目に合わされていたので、批難の声が上がってしまうのも仕方ないだろう。
研究もひと段落し、やっと起き出してきた風人は、居間に兄の姿を見つけて驚いた。
いつも土曜日は休日出勤の仕事中毒の兄様が家にいる。
ジーンズに白のVネックシャツのラフな姿だ。
これから出勤するようには見えない。
「あれ? 兄貴、仕事は?」
「休みだ」
その言葉に、久音が前に仕事を減らすようなことを言っていた事を、おぼろげに思い出す。
そう言っていたのは、つい数週間前のことだ。
「あら、やっと起きたの?」
そう言って、庭から母親がひょっこりと顔を出す。
風人は父親似だが、久音は母親似だ。
母親は、成人した2児の息子がいるようにはとても見えない程若々しく美人で、男の久音が綺麗だと言われるのはそのせいなのだろう。
「はらへった~」
「こんな時間に起きてきてなんですか。だったらもう少し早く起きていらっしゃい」
「だってよー。来月にはまた新しい研究も始まるんだぜ。今だけなんだからいいじゃん」
情けない声を出して、寝癖でグシャグシャの髪に緑のスウェット姿の風人に、母親はしかたないわねと、ため息をつく。
「丁度、お庭を少し手入れしようとしたのにあなたは・・・そう言えば! ちょうど試したい新しいメニューがたくさんあるの。全部食べてくれたら許してあげるわ」
「ええっ~!」
風人の表情が嫌そうなものへと変化する。
母親が新しいメニューだと出すときは、量も数もはんぱではないのだ。
その度に、家族で大変な目に合わされていたので、批難の声が上がってしまうのも仕方ないだろう。