好きだからBLの恋
優子が橘家の庭の仕事が決まってからのことは、風人が心配するまでもなく、久音が家にいない時に限って優子のスケジュールが空くという幸運が続いた。
休日には大学はないが、優子も造園のアルバイトがある。
必然的に注文が入ればそちらにかかりきりになってしまう。
その合間にグループ研究を続けていれば、どうしたって橘家の庭は後回しになった。
「あ、風人!」
いつものようにグループ研究の実験をおこなっていた風人に、後ろで背中を向けて検査をしていた優子が、突然声をかけてきた。
「んあ~?」
実験に集中していたせいで、風人は適当な返事を返すが、それはいつものことだってことは優子も了承済みだったのでそのまま話し掛ける。
「あの・・・さ」
「ん?」
「んんーと」
優子の戸惑うような声に気づいて、風人が振り向くと、優子がもじもじとしながら風人を上目遣いで見ている。
こんな優子を見るのは初めてだった。
風人の脳裏に嫌な予感がし始める。
「えっと・・・。昨日久しぶりに風人の家に行ったじゃない?」
「・・・ああ、庭の続きだろ?」
「うん、それでね。え~と、あの、今度の土曜日、何だかいつの間にか風人の家に泊まることになっちゃたの。えへっ、ごめんね?」
「・・・・・・」
その衝撃的な言葉に風人は硬直し、手に持っていたシャーレがすべり落ちる。
「きゃーっ! 風人!」
それを見た優子は慌てて手を伸ばし、シャーレが机に衝突する前にかろうじてキャッチすることが出来た。
「は~セーフ。危なくこの2ヶ月で育てた培養がパアになるところだった!」
このシャーレに入っているのは、このグループで培養し、やっと成功した貴重なサンプルだ。
無事にキャッチしホッとしたのもつかの間、優子の頭上で怒鳴り声が響く。
「優子ー! えへっ・・・・じゃねぇ! いったいなんだってそんな話になったんだよ!」
「え? あ、だ、だって~」
「だってじゃないだろ!」
休日には大学はないが、優子も造園のアルバイトがある。
必然的に注文が入ればそちらにかかりきりになってしまう。
その合間にグループ研究を続けていれば、どうしたって橘家の庭は後回しになった。
「あ、風人!」
いつものようにグループ研究の実験をおこなっていた風人に、後ろで背中を向けて検査をしていた優子が、突然声をかけてきた。
「んあ~?」
実験に集中していたせいで、風人は適当な返事を返すが、それはいつものことだってことは優子も了承済みだったのでそのまま話し掛ける。
「あの・・・さ」
「ん?」
「んんーと」
優子の戸惑うような声に気づいて、風人が振り向くと、優子がもじもじとしながら風人を上目遣いで見ている。
こんな優子を見るのは初めてだった。
風人の脳裏に嫌な予感がし始める。
「えっと・・・。昨日久しぶりに風人の家に行ったじゃない?」
「・・・ああ、庭の続きだろ?」
「うん、それでね。え~と、あの、今度の土曜日、何だかいつの間にか風人の家に泊まることになっちゃたの。えへっ、ごめんね?」
「・・・・・・」
その衝撃的な言葉に風人は硬直し、手に持っていたシャーレがすべり落ちる。
「きゃーっ! 風人!」
それを見た優子は慌てて手を伸ばし、シャーレが机に衝突する前にかろうじてキャッチすることが出来た。
「は~セーフ。危なくこの2ヶ月で育てた培養がパアになるところだった!」
このシャーレに入っているのは、このグループで培養し、やっと成功した貴重なサンプルだ。
無事にキャッチしホッとしたのもつかの間、優子の頭上で怒鳴り声が響く。
「優子ー! えへっ・・・・じゃねぇ! いったいなんだってそんな話になったんだよ!」
「え? あ、だ、だって~」
「だってじゃないだろ!」