好きだからBLの恋
「ギリギリなんだもん、しょうがないね。レポはこのままここで泊まって書くの?」
「悪いんだけど、ここではカンベンして。誰かン家とかファミレスでお願い出来ないかな?」
「ここで書かれると、お前たちすぐ俺たちに話しかけてくるだろ?俺もほのかもそれじゃ集中出来ないよ」
「あはは、確かに・・・・」

 奏多が苦笑する。
 前に何度かレポを研究室で書いたのだが、遅れている者に何度も話しかけ、結局研究が進まないということがあったのだ。

「・・・今日は兄貴も出張で帰ってこないし俺ん家でするか?」
「マジ? やったっ! 風人ん家のメシってめちゃ美味いんだよな~」
「奏多、遊びに行くんじゃないんだよ?」

 はしゃぎ出す奏多を、優子が睨む。

「わかってるよ。前の時は研究が遅れていて来なかったからゆーは知らないだろうけど、風人のお母さん、有名な料理家の先生だからマジにメシが美味いのなんのって!」
「奏多、残念だったな。今日、お袋は仕事でいないぜ」
「なにっ~」

 がっくりとうなだれる奏多に、優子は困ったように風人に笑いかけた。

「さて、じゃあ行きますか?」
「ほら、行くよ。奏多」
「うい~す・・・」

 肩を落としたままうなだれている奏多の首根っこの襟を優子が掴み、引きずっていくのを皆が苦笑して見ている。

 優子と奏多は一卵性の双子だが、とてもよく似ている。
 身長もあまり変わらないし、2人とも少し童顔だ。
 しかも、優子が女性らしい感じがあまりしないのと、奏多が男性らしい感じがしないせいで、2人がそろうと性別を感じさせない微妙な雰囲気を感じをさせる。
 そこがグループのメンバーの間を良くさせているのかもしれない。
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