人生色々。寝子生だって、色々である。
 そのまま又暫くどこかを連れ回されたようだが、最終的にはどこかに預けられた。どうやら、今日の宿はここらしかった。
 あの無礼者め達は、吾が輩を置きざりにして、どこかを行ってしまう。
 しかし、飯とミルクを貰った吾が輩は、檻に入れられたのは納得いかぬが……眠りについた──。




 翌朝、例の無礼者達が戻ってきたようだ。

──ふん、奴らめ……吾が輩を置きざりにしたので、後ろ髪を引かれて戻ってきたか。

「これから、地元まで帰るんですよ」
「じゃあ、この使いかけのミルク、持って行って下さい」

 ふむ、またあのミルクが貰えるようだ。ならば、暫くこの者達に付き合ってやるかな。




 だがしかし、この無礼者達の"地元"とやらは、どこなのだ?
 あれから、夕方まで連れ歩かれ、帰路についたのは腹が空く頃だった。それから、休みも入れつつ、奴らの家についたのは夜だ。
 帰りがけに吾が輩の手洗い所だとかいう物を買ったようだが、吾が輩は飯を食う場所で、そそうをしてしまった。
 しかし、怒られるかと思いきや、ただ言い聞かされただけで終わる。
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