そばにいて
はじまり
「彼氏欲しいぃ~」
 
 古江エリがかわいらしく声を出した。そして、僕のほうを恨めしそうに見つめた。

「なんでケンイチは、私のことふったの??彼女なんていないじゃん!」

「いないけど・・・。僕は、エリのこと、幼なじみとしか見れないから・・・。」
  
 僕は、すまなそうにエリを見つめた。
 
 するとエリは、あきれたような表情を浮かべた。そして、手を伸ばして、僕の頭をよし

よしとなでた。

「なっなにすんだよ?!」
 
僕は、焦ったように手をばたばたと動かした。

「・・・・・ほんとにケンイチはかわいい・・・。彼女にしてもらってたら、すっごく自

信喪失してただろうな!」
 
そういうとエリは笑顔を残して僕の側から離れた。
 
 
 
 僕こと飯井ケンイチ15歳は、彼女がいない歴、15年・・・・・・。
 
 つまり、自分の生きてきた中で、一度も彼女ができたことがないのだ。
 
 そして、好きな人ができたこともない。
 
 だから、恋なんてものがわからなかった。
  
 だったら、エリとつきあえばいいのにと思った人も多いかもしれないが、幼なじみとつ

きあうのは、僕のプライドが許さなかった。
 
 まぁ、いつかは、運命の人が現れるだろうと、少女漫画のようなことを考えていた。
 
 そして、運命の人は、突然現れたのだった・・・・・・。

 
 
 エリが僕の席を離れた後に、男友達の石谷テンマと阪東ミツヤが僕の席にやってきた。

「何だよお前~!学年1の美女を振ったのか?!あの古谷を??」
 
 テンマが僕の肩をつかんで揺さぶった。

「まじまじ?ケンちゃんって、女の子に対する基準高すぎだよ~」
 
 ミツヤがふざけたように僕を見つめて笑った。
 




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