【企】Mixture magic
「何か?」
いきなり、手品師?さんはタバコに火をつけた。
何?って、手品みたいなと思ったのに。
「…手品みたいなって?」
スーツケースの鍵を掛けると、
「わりぃ〜今日はおしまい!これから営業あるんだ!」
「毎日、やってますか?」
タバコを吸いながら、遠くを見つめている目が綺麗なんだけど!
「気分…次第?」
「じゃあ、次の約束して欲しいんだけど。お金ならある。」
私、何言ってるんだろう!
「高校生のガキが、そんな事言うなよ…俺、金が嫌いなんだ!」
「じゃあなんでチップ?」
有り得ないじゃない?
馬鹿にされたみたいで、悔しいんだけど。
「その金の行方は、教えない!じゃっ!」
そう言って、ガラガラとスーツケースを引き私の前から、離れた。