二人
勘違いする二人

勘違い1

「なぁ。」

「あん?」

「おすってさ、どうよ?」

「何だよ、藪から棒に。」

「いや、響き的にどうかなってさ。」

「響き的に?あ〜、かっこいい感じ?」

「お〜、確かにかっこいい感じだな。他には?」

「他に?ん〜、お前みたいなもやしっこはダメだろ。」

「もやしは好きじゃねぇよ。」

「いや、違うよ。」

「じゃ何だよ。もやしっこって。」

「お前、細いだろ?そういうのをもやしっこって言うんだよ。」

「ほー、俺はもやしか。」

「いや、あぁ、そうだな。お前もやしだ。」

「おう、俺はもやしだ。もやしにはおすはダメなのか?」

「うぉ、戻ってきた。そうだな、似合わないな。」

「似合わないか。確かに大体はごつい奴らだよな。」

「ごついな。プロレスとかそんな奴らだな。」

「プロレス?…あぁ、総合格闘技って奴だな。」

「ん?プロレスと総合格闘技は違うだろ?」

「ごついぞ?」

「あぁ確かにごついが違うだろ?」

「違うのか。だがおすも違うんじゃないか?」

「違うか?似合うだろ?」

「違うだろ、プロレスとおすだぞ?」

「じゃ何なら似合うんだ?」

「そりゃ、お前。アレだろ。」

「何だよ。」

「…ピーター・アーツ。」

「個人なのか?似合うのはアーツだけ?」

「そうだな。よく聞くし。」

「いや、他にもいるだろー。」

「い、いや、いないな。」

「いないのか?」


「……。」

「いないのか?」

「いるかも。」

「ま、何にせよ、うちらに関係ないけどなー。」

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