恋、桜色

先生の声が
聞きたい。


そして、
チャイムが
鳴り響く。

みんなが片付けに入り、
ガタガタと
席を立つ中、
私だけが
胸にノートを抱えて、


「先生、ここ、分かりません」



嘘つき。

本当は、
全部理解したくせに。


「そう?ここはね」


思ったよりも、
低い声。

だけど、
聞いていて落ち着く…。

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