Sweet☆LOVE(続編集)
口下手なのはもうよく知ってる。
でもできることなら、やっぱり安心して隣を歩きたい。
好きって気持ち。
そう思ってるのは、私だけじゃないって。
「由利さん、そこから外は見えますか?」
「え、はい。あ……」
「めずらしく雪です」
「ホントですね……」
夜の空に白い雪。
私一人じゃ幼い景色も、陽サマの存在はすべてをロマンチックに変えてしまう。
ずるいな…
「先生。私ね、今チョコレート作ってるの。でも初めてだから、全然上手くいかなくて…」
気持ちを見える形で表すのって、なんだかすごく難しい。
味は何度も確かめたけど、見た目が本とは違ってて。
私の気持ちだって、本当は全然こんな程度なんかじゃないのに。
好きで好きで仕方なくて。
でも彼女という名前をもらっても、やっぱり不安でいっぱいだった。
追い付いたはずの距離。
もっともっと縮まらないのかって、焦ってばかり。
ポツッと小さな音を出して落ちたひとつの涙。
せっかくの甘いチョコレートも、こんなんじゃしょっぱくなっちゃうな。
「由利さん、明日迎えに行きます」
「…えっ?な、なんでですか?」
「なんでって…、会ってくれる予定じゃなかったんですか?」
ブンブン!
陽サマには見えないけど、私は思いきり首を振った。