Sweet☆LOVE(続編集)

今度はよく伝わってきた陽サマの心臓の音。

近づいたせいもあるんだろうけど、ちゃんと私に対してドキドキしてくれてるんだって信じられた。



急いで進むことが大事なんじゃない。

想い合ってることを確かめられるなら、形なんてどんなものでも構わないんだ。


それが例えば言葉でも、
チョコレートでも。



「できれば普通の言葉で聞きたいんですけど」


「普通って…なんですか、それ」



キスよりもっと…

そう思ってたけど、いつもと違う陽サマを見れれば、それはきっと今日だけの特別になる。


だから陽サマ、今よりもっと、私をぞっこんにさせて。



「丁寧語はイヤです」


「でもこれは癖のようなもので」


「いーやーだ!」


「ぅ…相変わらずワガママですね」



狭いシングルベッドの上で、戯れるようにお互いの身体を近付ける。

今はたぶん、ドキドキも、好きって気持ちも、全部ひとつになって重なってるんだろう。



「じゃあせめて目を閉じててもらえません?」


「なんで!?」


「だって、なんか照れるでしょ」


「だめ、見たい」


「それは困ります!」



そう言っていきなり陽サマの左手が私の目元を覆う。

一瞬暗くなった視界に、慌てて抵抗しようとも思ったけど

そんな雰囲気も、なんとなくロマンチックだったから…




「陽…、好き?」



「……好きに、決まってる」




ぎこちない愛の言葉。


でもいつも丁寧語だった陽サマにしてみれば、それは私にとって一番の甘い言葉だった。

そんな言葉と一緒に、甘いキスを送られれば

私の気持ちなんて、鎖につながれるように逃げ出せなくなるよ。







< 20 / 62 >

この作品をシェア

pagetop