Sweet☆LOVE(続編集)
今度はよく伝わってきた陽サマの心臓の音。
近づいたせいもあるんだろうけど、ちゃんと私に対してドキドキしてくれてるんだって信じられた。
急いで進むことが大事なんじゃない。
想い合ってることを確かめられるなら、形なんてどんなものでも構わないんだ。
それが例えば言葉でも、
チョコレートでも。
「できれば普通の言葉で聞きたいんですけど」
「普通って…なんですか、それ」
キスよりもっと…
そう思ってたけど、いつもと違う陽サマを見れれば、それはきっと今日だけの特別になる。
だから陽サマ、今よりもっと、私をぞっこんにさせて。
「丁寧語はイヤです」
「でもこれは癖のようなもので」
「いーやーだ!」
「ぅ…相変わらずワガママですね」
狭いシングルベッドの上で、戯れるようにお互いの身体を近付ける。
今はたぶん、ドキドキも、好きって気持ちも、全部ひとつになって重なってるんだろう。
「じゃあせめて目を閉じててもらえません?」
「なんで!?」
「だって、なんか照れるでしょ」
「だめ、見たい」
「それは困ります!」
そう言っていきなり陽サマの左手が私の目元を覆う。
一瞬暗くなった視界に、慌てて抵抗しようとも思ったけど
そんな雰囲気も、なんとなくロマンチックだったから…
「陽…、好き?」
「……好きに、決まってる」
ぎこちない愛の言葉。
でもいつも丁寧語だった陽サマにしてみれば、それは私にとって一番の甘い言葉だった。
そんな言葉と一緒に、甘いキスを送られれば
私の気持ちなんて、鎖につながれるように逃げ出せなくなるよ。