Sweet☆LOVE(続編集)
まったくムードなんて感じられない二人。
ねぇ、陽サマ。
初めて会った時を覚えてますか。
陽サマは私の顔を、ちらっとも見ようとしないで。
ただ資料を眺めてばかりの様子に、大人な雰囲気を感じていました。
でもそれは、陽サマにとっての興味の度合いじゃなくて、照れる気持ちと不器用さの現れ。
本当は冷たい性格なんかじゃない、優しい部分が上手く出せないだけなんだって。
私がそれを知ることができる相手になれて、本当に幸せです。
「白だと目立つので、僕の好きな赤で塗ってしまいましょう」
「いや、それは逆に…」
近づきたくて、近づきたくて。
必死に追いかけてきたことを、思い返せば嬉しくて。
「もう映画あきらめる!」
「だめです。部屋には居れません」
振り返って手を差し伸べてくれる笑顔が、私だけに向けられるってこと。
こんなにドキドキできる毎日が、この先ずっと存在していくってこと。
「いいじゃん!
そのまま泊まっちゃおうかなー」
「それはもう少し先にしましょう」
「先っていつ!」
今日はきっと
好きって気持ちと一緒に、ありがとうを言う日なんだって思います。
「ねぇ、いつ?一週間後?ホワイトデーとか?」
「ホワイトデー、ですか…?」
「うん、ホワイトデー!決まり!そうしましょう!」
「ま、待ってくださいっ!」