Sweet☆LOVE(続編集)
高崎くんのことは、隣のクラスだからよく知ってた。
でも男の子からの電話なんて、そんなに経験あることじゃなかったから
受話器を持ちながらも、なんとなくドキドキして。
不思議だな…
別に好きな相手でもないのに、心臓が暴れるよ。
(それで明日なんだけど、ちょっとだけ時間作れないかな)
「明日…?」
明日はもちろんバレンタインデー。
付き合ってる私と一樹は、当然朝から一緒にいるものなんだろうと考えてた。
でもさっきのあれじゃあ…
窓の外を覗けば、一人でセッセとチョコレートを拾う一樹の背中が見える。
もう陽は沈んで、風だって冷たくなってるのに。
「ばっかみたい…」
(えっ…?)
「ううん、なんでもない。わかったよ、明日駅前でね」
まだイライラが治まってなかった私は、そのまま高崎くんの誘いにOKした。
どうせ一樹の所にだって、明日も女の子がやって来るはずなんだもん。
私が相手しなくたって、退屈するわけないよ。
キッチンに戻った私は、型に入れたままのチョコレートを眺めた。
普通の人には甘過ぎるけど、一樹にはきっと丁度良かったと思う味。
せっかく作ったけど、今はどうしても渡す気になれなくて。