Sweet☆LOVE(続編集)
「自分で食べるもんね!」
そう勢い付いて、私は作り立てのハートチョコをガブリとかじった。
淡いピンク色の、
ほんのりイチゴ味の…
「んぐっ!?」
甘い…甘い…甘過ぎるっ!
これはどう考えても一樹にしか食べられない味。
そう、一樹だけの特別な味だった。
一樹だけの……
「……バカズキ」
ふいにズキンと胸が苦しくなる。
さっきの一樹の後ろ姿が、思い出したくもないのに浮かんできて。
「好きって言ったって、結局一樹は女の子なら誰でも好きじゃん……」
私は小さい頃から、ずっと一樹だけを見てきた。
ただ女の子が大好きで、ヒーローにもなりきれてなかった一樹だけど
いつも明るく笑ってる顔が眩しくて、確証も無いのにどんなことにも自信満々なとこが憎めなくて。
そんなバカみたいなとこに、どうしようもなく惹かれて。
でも一樹はどうなんだろう。
周りにはいつも女の子がたくさんいて、歳を重ねれば彼女という存在も絶やさなかった。
私は今、たった一人の一樹の彼女だけど、ずっとそうだったわけじゃない。
私が一樹を想ってる間も、一樹はいろんな女の子とデートしたり、キスしたり。
そんなこと、考え出したら切りがないってわかってる。
でも、私が一樹にとって今までの彼女とどう違うのか。
ワガママかもしれないけど、それを知って安心したかったんだ。