Sweet☆LOVE(続編集)
「もー!なんなの!」
当たり場所がなくて、円柱状のクッションをギュッと抱え込んだ。
せっかく素直に謝ったのに、逆に冷たくされるって意味が分からない。
いつも意地張って、ケンカも長続きしちゃうから
少しでも早く仲直りして、今日のバレンタインデーを一緒に過ごそうと思ったのに。
なんとなく一樹の部屋の窓を見るのも苦しくて、私は広げていたカーテンをサッと閉じた。
そしたらその拍子に
コロン…
窓際に飾っていた小さいハートのアロマが床に落ちた。
それは去年のホワイトデーに、一樹がお返しにってくれたアロマ入りのバスオイルで。
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「亜希〜、受け取れ」
「は?わっ!」
窓の向こう側から、ポンとこっちに投げられた可愛い小箱。
慌ててキャッチして中を開けたら、その瞬間イチゴの香りが部屋中に広がった。
「なんか甘ったるいんだけど?」
「ホワイトデーのあまりもん。残り物にはいいことあるから、それ亜希にやる」
「ちょっと!あまりものって」
「もらえるだけ喜べ」
そう偉そうに言いながら、バカみたいに投げキッスの振りなんてしてた一樹。
でも私はまた、一樹のそんな仕草にドキドキして。
一樹から何かをもらえるなんて、めったにないことだから、ずっと勿体なくて使えなかったんだ。
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