Sweet☆LOVE(続編集)
「もう一年ですね」
「え、何がですか?」
今日は涼しいからと止めていたエアコン。
窓からはあの頃と同じように、爽やかな風が吹いてた。
「由利さんと僕が最初に出逢った頃から一年が経ちました」
「…そうですね」
ふと考え込んだり
問題集をめくったり。
そんな横顔を眺めてるだけで、時間なんて存在しないような気がしてくる。
たしかに陽サマを好きになって一年。
年の差は当然のように変わんないけど、私だってちょっとくらい大人っぽくなったでしょ?
陽サマの態度は、相変わらずそのまんまだけど。
って、だーかーらー!
ちゃんとこっち向いて
話してよ!
「由利さん」
「はい?」
おぉっ!
だからっていきなり向かれると息まで止まるじゃないですかっ!
真っすぐに向けられる視線は、女の私がうらやましく感じてしまうほどにキレイで奥が深い。
「こちらこそ、どうぞよろしくおねがいします」
「……はい」
うん、そう。
かしこまった陽サマも、やっぱり素敵なのだ。
…………え?
う゛そーーーーーーーっ!!
ってことで
やっと陽サマと付き合えるようになったのが高校一年の夏。
ちなみに私は、今でも陽サマを「先生」と呼んでいる。
「先生!解けました!」
陰ではいつも
「陽サマ」なんだけどね。
だってやっぱり陽サマは、無口で謎で、それでいてめちゃくちゃ格好良くて。
絶対陽サマって感じなんだもん。