Sweet☆LOVE(続編集)
そんなこと今まで一度も無かったから、一樹は少し驚いてたけど
いつもみたいにニコーっと笑って
「オレは亜希だけのもんじゃん!」
そう言って私の背中を掴んだと思ったら、体勢はくるっと入れ替わる。
一瞬の出来事に息が止まって。
見上げれば今度は、私の方が見下ろされてた。
「亜希も、オレだけのもんだろ」
「え、ぅん…」
深く入り込むキスが、湯上がりの体をもっと火照らせる。
一樹の吐息とささやきが耳元をかすめば、私の心臓はまたまた壊れる寸前まで高鳴って。
「逆チョコの代わりにオレあげる。だから、亜希のことも全部ちょうだい?」
「……っ」
私の動揺なんておかまいなしであっさり言いのける。
一樹はね、そこにいるっていう存在だけで、私にとっては誰よりも甘いの。
そのせいで、寒い冬でもいつだって溶かされそうになるんだ。
いつの間にか背中に差し込まれた一樹の手が、軽くブラのホックを外すと、もうまぶたなんて開けてられない。
どうしよう、どうしよう。
まだ、心の準備が…
「待って待って!」
「大丈夫。オレも初めてだから」
いやいや、何がどう大丈夫なのか。
…でもそれを聞いて、ちょっとホッとして嬉しかった。
私だけが知れる一樹が、まだそこにたくさんある。
でもね、
「一樹っ、こ…これ!」
せっかく作ったんだから、とりあえず私をいただくより先に食べてほしいでしょ?
キスの嵐を送ってくる一樹の前に、私は持ってきたチョコレートを差し出した。