Sweet☆LOVE(続編集)
待っていた時間はあんなに長く感じたのに、それから陽が沈むまでの時間はあっという間だった。
女友達との時間を満喫できたからじゃない。
第一オレが欲しいのは、こんな感覚だけの満足じゃないから。
歩美のことを考えてた。
歩美が今どうしてるかを考えてた。
ホテルを出た時に周りから感じた視線が、すべて非難のように思えて。
やたら目に付くカップルの姿が、うっとうしくて仕方なかった。
「やっぱり今日は恋人と二人で過ごすってのが多いよねぇ。春樹はあたしで良かったわけ?」
「…んだよ、それ」
女友達が指差す先。
人集りにあるカフェの看板にハートのオブジェが見える。
「だって今日バレンタインだもん」
「…………」
ゆっくりと見下ろした笑顔は、当然歩美のものじゃない。
オレは…
「ほらほら〜、ここ最近美味しいって噂のケーキ屋さん。ここの息子ってうちの大学にいるんだよ?あ!ちょうど出てきたし」
「…!」
目が合った男。
口元の絆創膏に目眩がした。
オレは……最低だ。