Sweet☆LOVE(続編集)
歩美がそんな女じゃないことくらい分かってたのに。
オレの勝手な自信の無さが、また歩美を傷つけた。
しぶしぶと迷惑がられながら、そいつに話してもらった今日のこと。
いや、もっと前からの歩美のこと。
オレが一緒に住んでるから、家のキッチンは使えない。
歩美はサークルの活動場所にある小さなレンジで、何度もケーキを作りを繰り返してた。
もともと料理はできる方なのに、それでももっと上手く作りたいって
いつも一人で大学に残って練習してたんだ。
「お前に内緒にして、びっくりさせたいんだって笑ってたけど。びっくりしたのはこっちだよ。いきなり殴られるって意味わかんねー」
同じサークルにいたケーキ男が、時々アドバイスしてやることはあったけど。
普段はほとんど一人でやってた。
暖房の切れた、
誰もいない活動場所で。
「今日は絶対失敗したくないって言うから。今まで頑張ってたのも知ってるし、サークル仲間としてオレは様子見に行っただけだよ。
それなのに目の前であんなことされたら、普通別れると思うけどね。しかもその女と…、まぁどうでもいいけど」
隣の女をチラッと見ながらため息をつくケーキ男。
オレはもう、
何も言い返せなかった。
「あいつ…どんな顔してた」
こんなこと聞くオレ
半端なくカッコ悪ぃ。
「さぁね、今も同じ顔してるんじゃない?それくらい自分で確かめてよ。オレ店の手伝いあるから」