Sweet☆LOVE(続編集)
歩美はただ黙って、いつまでも偉そうなオレの話を聞いていた。
ショックを受けて泣くこともしなければ、怒ることもしなった。
それより逆に、歩美はオレの頬に優しく触れて来て
「不安にさせて…ごめんなさい」
ドクン…
悲しげで切なげで。
その表情で、
オレの方が泣きそうだった。
「なんで怒らないんだよ」
「だって相手を信じるって怖いもん。もしも裏切られてた時に傷つくのが怖くて、無意識に疑っちゃうんだよ。その方がらくだから」
「歩美…」
「……私も怖かったよ。このまま春樹は帰ってこないかもしれないって、そう思ってた方がらくだったよ。でもちゃんと帰って来てくれたから、勇気出して信じてて良かった」
そう言ってまた微笑む歩美。
オレはその時、感じたことがないくらい胸が痛んで。
それをどうすれば歩美に伝えられるのか迷っていた。
何度もキスをして、何度も身体を重ねてきた。
でも肝心なことは、きっと伝わっていない気がした。
「歩美…オレ最低なんだよ」
歩美はオレを見つめてる。
「やってることとか最悪なんだよ」
オレの隣にやって来て、歩美はオレを抱きしめる。
「でも…、お前のこと離したくない。誰にも近付けたくない。自分はフラフラしてるくせにお前のことは……。どう言えばいいかわからないけど」
手に入れたはずなのに、伝わらない何かがもどかしくて仕方なかった。
他の奴らは上手くやってること。
でもオレにはそんな経験なくて…
そんな気持ち、
伝えたこともなくて…