Sweet☆LOVE(続編集)
本当に自分の言葉なのかと疑うくらい、恥ずかしさと動揺で赤面した。
歩美は微笑んだまま泣いてた。
笑って泣くって、どういうことだ。
でもその表情は見たこともないくらいに綺麗で
この日貰ったチョコレートケーキはたしかに美味しかったのかもしれないけど
それを忘れてしまうくらいに、オレの中には歩美の姿しか残ってなかった。
嫉妬、独占欲、不安。
歩美を愛しく思うほどに、この厄介な感情はいつまでも付きまとう。
でもオレには、それに付き合っていく覚悟ができていた。
辛くなることも苦しくなることもわかってるのに、それでも相手を信じられる。
だってそれが、愛なんだろ。
「歩美、オレに何かして欲しいことないのか。なんかいつもオレばっかり貰ってる気がする」
「そんなことないよ。春樹は私の近くにいてくれてるし」
「でも近くにいるだけじゃダメなんじゃない。たとえば遠く離れてても、繋がってるものがある方がいい」
「春樹…」
「お前の願いごと、きっと叶うよ」
歩美はオレに抱きついた。
抱きしめたんじゃない、多分ちょっとだけ甘えてくれたんだ。
オレたちは出逢ってまだ一年も経ってない。
そしてオレは今年大学を卒業する。
お互いに心配なことがまた増えることはわかってても、できる限りの安心があったらいい。
それだけで、少しでも信じることに不安を抱えなくてすむから。
「歩美、ずっと一緒にいてやる」
「うん…」
「ずっとっていつまでか分かってんの?」
「えっ?…ずっとでしょ?」
「お前鈍っ!」
「な、なんで…」
お前が卒業したらちゃんと言うよ。
その前にオレは社会人として、いろいろ成長しないといけない。
だからそれまで、お前はオレを信じて待ってろ。
オレは心に誓うように、もう一度部屋のカレンダーを見つめた。
***
2月14日
春樹と歩美のLOVEが
いつまでも繋がっていますように
***
END