Sweet☆LOVE(続編集)
「由利もバレンタインの準備?当然陽サマに作るんだよね?」
「まぁそうだけど。香奈もそれ、ラッピング?」
「違う違うっ!下着!」
「あ〜、
遠赤外線とかの暖かいやつ」
「チガーウ!勝負下着!」
「は!?」
高々と右手に掲げられたそれは、神々しくも眩しく直視できなくて。
恐ろしい…
そんなものを持っている香奈が恐ろしい。
「由利はお泊まりさせてもらえなくて残念だったね。でも大丈夫!私がちゃんと伝授してあげるから」
「こ、こんなの香奈じゃない!」
「由利〜、もうリボン水着の私じゃないんだからね?」
おぉ、中学生の頃のあの水着。
たしかにそれは懐かしいけど。
なんでそんなに先に
大人になるわけ!
「由利、甘いバレンタインを!」
そんな言葉を残すと、香奈はその赤い布切れについてる紐を指の先でクルクル回しながら、私の前を去って行った。
恥ずかしく…ないのか?
ふと周りを見渡せば、バレンタインのコーナーにはいろんな年代の人が寄り集まっている。
昔の私たちみたいに、無邪気にはしゃいで選んでる中学生もいれば
大人な雰囲気いっぱいで、洋酒入りのチョコレートを選んでいくキレイなお姉さんもいて。
もう高校生…?
まだ…高校生。
陽サマにとって私は、やっぱりまだまだ子供なんだろうな。