コンビニの田中さん

そして、田中さんは今日も夜中の三時を回ると現れた。


相変わらずトランクス一丁で、頭の三本毛をなびかせている。




田中さんは冷蔵庫と冷蔵庫の隙間からキョロキョロと左右を見渡し、コンビニに僕しかいないことを確認して出てくる。


バイトのシフトでいくと、僕ともう一人、歳上の人が一緒なのだが、その人は歳下の僕に面倒臭いことを押し付け休暇室で仮眠している。


上には弱いが下には強気、つまりそういう人なのだ。


もっとも、田中さんは以前彼が扱う業務用掃除機に吸い込まれかけたという経験を持っているため、彼が居るときは決して現われない。




田中さんはいつもの様に雑誌コーナーの棚によじ登り立ち読み(?)を始めた。

だいたい、競馬雑誌か成人雑誌を読んでいる。



今日はどうやら成人雑誌みたいだ。



ほっぺたが赤くなっている。


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