最カノ・アスカ様。
「あ?あいつらヒロに何の用だよ」


リンダタンっていうのは、おれらのクラスメイト。

おれは、あいつらのグループが好きじゃない。

つか嫌い。

1人だと弱いくせに、集団だと意気がる奴ばっか。

イライラすんだよな。


「ぷ。んな怖い顔すんなって!」


嫌いなもんはとことん嫌うおれに対し、社交的なヒロは、あいつらと仲が良いとまではいかないが普通に話すくらいはする。

コイツのそういうとこ、マジで尊敬する。

誰にでも平等っつーか……そういうの、おれにはすんげぇ難しい。


「なんか直接聞きてぇ事あんだってさ。たぶんすぐ終わっから」

「……おう」

「帰りにジュース買ってくんべ」


ヒロは部屋を出ていった。

必然的におれは部屋に独り。


「…………つまらん」


──もしも。


おれがもっと社交的で。

この時ヒロに着いて行ってたら。


運命は

変わっていたのだろうか──……。
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