最カノ・アスカ様。
「ヒロお前、部活だろーが」

「あ」


………………。


えっ!?!?










「──じゃぁな、ユッチ!デート楽しんで来いよ〜」

「チッ!ざけんなよ、テメェ……」

「おぉ怖っ」


外人のようにおどけた振りをするヒロの腰には、眩しすぎるくらいにピカピカと輝きを放つ、青いエナメル。


結局、部活に行くらしい。


どう思う?


上げて、上げて、落としやがって。

この野郎。


「セイヤ!行くぞー」

「おう。……頑張れよユッチ」

「セイヤ、お前まで……」


ヒロとセイヤは流れる人混みに混じって、すぐに見えなくなってしまった。


「ハァァァァ……」


本日何度目?


今日1日で、一生分の溜息を使い果たしてしまいそうだ。


……いや。

これから毎日、ずっとこんな日が続くのか。


暫く惚けた後、鉛のように重たい足を無理やり動かし、名残惜しい教室を後にした。


「ハァァァァ……」


人の少ない下駄箱でノタノタと靴を履き替える。


ふと隣に人の気配を感じたおれは、顔を横に向けた。
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