最カノ・アスカ様。
残念そうな顔、残念そうな顔。


「わかった……」


……ふ。

完璧。

完璧すぎるぜおれ。


これ俳優なれるんじゃね?

なんてな。


「ごめんねェ」

「いいって!用事なら、仕方ねぇもんな」

「ありがとォ」


フハハハハ、馬鹿め。

一生用事に追われてろ!


おれはニヤける顔を誤魔化すため、前を向いて適当な言葉を呟く。


「あー……さむ」

「ユッチ、寒いの」

「ん、サムイ」

「そっかァウチが、あっためてあげる」

「……え?──グェッ!!」


一瞬、何が起こったのかわからなかった。


わかるのは喉仏を潰される痛みと、首を締め付けられる苦しみだけ。


「あッごめぇん力、強すぎたみたい」


シュルルルルル……。


徐々に首を締め付ける力が弱まっていく。


ようやく酸素を取り入れることができた体は、ゴホゴホとむせ返った。


一体何が………………ハァッ!?


ようやく目を開けたとき、おれは絶句した。
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