最カノ・アスカ様。
おれはそう笑いながら、ケータイをポケットにしまった。


こんなことをしていて、罪悪感が全くないわけじゃない。


でも、リアルに会ったりするわけでもねぇし。

そうなると、罪悪感も半減だ。


アスカもメールを楽しめて、オレらも楽しめる。


いいじゃん、それで。


……なんて。


マジ最低だろ?


だから、おれ、

『優しいやつ』

なんかじゃねぇよ。


「にしてもユウ、よく見っけたよなぁ、こんな素敵な女性を!」

「オレとアスカが知り合ったコミュニティサイト、教えてやろーか?」

「や、遠慮しときます!オレには愛しのサキがいるから〜」


ケラケラ笑いこけるヒロ。


そこでチャイムが鳴り、担任が教室に入ってきた。


ヒロは前に向き直り、セイヤは廊下側の自分の席へ。


オレは机に肘をつき、窓の外を眺めた。


「雨、降りそうだな……」


薄暗い空の向こう側にある、どす黒い雲。

それがジワジワと、着実に、グレーの空を侵食していった──…。







──ウンメイ ノ

シュンカン マデ

アト 18ジカン──…





秘密の遊び【完】
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