最カノ・アスカ様。
水中でユラユラと揺れる、彼女の魚のような下半身……ではなく、胸にある貝殻の水着。


実は金髪の少女、正体は“人魚”だった。

そう、これはかなり貴重な出会い。


しかしアスカ様にとって、そんなことはどうでもいいのだった。


「ふぅ〜ん……貝殻の水着も、まぁまぁイケてるじゃん」


そう言ってニヤリと不気味に微笑むアスカ様に、人魚は背筋がゾッと凍った。


地上の言葉がわからない人魚でも、本能的に身の危険を感じたのだ。


慌てて水中に顔を沈め、海底深くに逃げようとする人魚。


──が、時すでに遅し。


哀れ、人魚は捕えられてしまった。

アスカ様のおさげによって……。


「ウフフフフフフフフフフ逃がさないわよォ」


──……


数分後。

アスカ様の胸板には、貝殻の水着が装着されていた。


そこに人魚の姿はなかった──……。
< 80 / 119 >

この作品をシェア

pagetop