最カノ・アスカ様。
「みんな!ついに本番だ!気合い入れてくぞー!」
「オォー!!」
ヒロの掛け声とクラスメイト達の素晴らしい団結力。
舞台裏ではでっかい円陣が組まれ、やる気と熱気で満ち溢れていた。
ついにやってきた文化祭当日。
間もなくおれらの劇が公演する。
「ユウイチくん、その格好似合ってるね」
円陣が終わった後、ボロボロに縫い付けられた淡いブルーの布に身を包んだアヤがおれに言った。
おれはと言うと、金で縁取られた紺の服に黒いブーツ、さらに赤いマント。
紙で器用に作られた剣と王冠まであり、アヤに申し訳ないくらいのキラキラファッションだ。
まぁ、アヤもすぐにドレスになるんだけどな。
なにげ楽しみにしているおれ。
「おう、カボチャパンツに白タイツじゃなくてよかったぜ」
「あはは!確かにそれはイヤだねー。でもちょっと見てみたいかも」
「マジ勘弁……。もしおれがそんな格好で現れたら、劇の雰囲気ぶち壊しだぞ」
「あはは、お客さん大爆笑だね」
「いや、ブーイングの嵐だ」
おれとアヤが談笑していると、舞台裏が薄暗くなった。
「もうすぐ始まるよ」