最カノ・アスカ様。
そんなことを考えている間に、あのシーンがやってきた。
そう、あの……キスシーンが……。
「ユッチ」
ドワッと、冷や汗が身体中の毛穴という毛穴から湧き出る。
そしてかきむしりたくなるほどの鳥肌。
箱の中には、目を閉じ(って開いてる時と変わりないが)唇を少し突き出す、顎の長いお姫様……。
……ヤバイ。
おれの全てが、アスカを拒否している。
この9ヶ月間、清い交際を続けていたおれら。
もちろん、キスなんてしたこともない。
アスカもねだってくることはなかった(意外に純情……?)。
それが今、ピンチ。
大ピンチ。
前には客、左右にはクラスメイト。
すぐ下にアスカ。
おさげの呪縛並に、逃れられないこの状況。
どうする……!?
「ユッチ、早くゥ」
ままま、負けんなおれ!
いいか!?
劇のシメは王子の演技にかかってんだぞ!
なぁに、ただの“ふり”じゃねぇか。
至近距離は死ぬほどキツイけど、一瞬だけ、ほんの一瞬だけ我慢すればなんとか……。
──ゴクリ。
おれの生唾を飲み込む音が、生々しく脳内に響いた。
……よ、よし……!!
おれはゆっくりと、アスカに顔を近付けた。
そう、あの……キスシーンが……。
「ユッチ」
ドワッと、冷や汗が身体中の毛穴という毛穴から湧き出る。
そしてかきむしりたくなるほどの鳥肌。
箱の中には、目を閉じ(って開いてる時と変わりないが)唇を少し突き出す、顎の長いお姫様……。
……ヤバイ。
おれの全てが、アスカを拒否している。
この9ヶ月間、清い交際を続けていたおれら。
もちろん、キスなんてしたこともない。
アスカもねだってくることはなかった(意外に純情……?)。
それが今、ピンチ。
大ピンチ。
前には客、左右にはクラスメイト。
すぐ下にアスカ。
おさげの呪縛並に、逃れられないこの状況。
どうする……!?
「ユッチ、早くゥ」
ままま、負けんなおれ!
いいか!?
劇のシメは王子の演技にかかってんだぞ!
なぁに、ただの“ふり”じゃねぇか。
至近距離は死ぬほどキツイけど、一瞬だけ、ほんの一瞬だけ我慢すればなんとか……。
──ゴクリ。
おれの生唾を飲み込む音が、生々しく脳内に響いた。
……よ、よし……!!
おれはゆっくりと、アスカに顔を近付けた。