キミ色に染まりたい

初キス



「先輩…昨日のメール覚えてますか?」


ドキッとした


「なんだっけ〜?」

私は知らないふりをした

頭の中にメールの内容が浮かび上がってきた


[明日先輩の初キス奪いますから]


顔が熱くなってきた


「先輩…キスしたい」


矢田が私をまっすぐ見つめてくる


私は目をそらした


「やっぱ俺じゃ嫌ですよね」

矢田は悲しそうな顔をした


「ちがっ…そんなんじゃないよ…ただ、、」


「ただ?」


「恥ずかしいんだもん…キスしたことないから」

「そんなの俺も同じですよ」

矢田は私の前に座り込んだ

「俺は先輩とキスしたいんです」


「いっ…」


「ダメすか?」


よくそんなこと普通に言えるなぁと思った

こいつは私が好きで付き合ったんじゃない

ただ単に年上と付き合うとキスとかいろんなこと体験できるから…

ただそれだけで私を選んだんだ


だからキスしたいってのも私が好きだからじゃなくて……


たぶん誰でもよかったんだと思う
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