キミ色に染まりたい
「今度こそマジでキスします」
ガッと肩を掴み私を大きな瞳で見つめてきた
見つめられるとドキドキする…
「目閉じて、力抜いて…??」
風が頬をくすぐる
静かで風の吹く音しか聞こえない
私は言われた通り目を閉じた
……………………
キスはどんな感じなんだろう?
そんなこと考えているうちに唇と唇が重なった
あたたかくて柔らかかった
ちょっと矢田の唇は乾いていてざらざらしていた
そして5秒もたたないうちに離れていった
目を開けたら目の前には矢田が照れくさそうにして
「先輩…大好きです」
って言いながら、
私を抱きしめてくれた
昨日よりも強くて痛いくらい抱きしめられた
私は抱きしめられながら矢田の胸の中で聞こえるか聞こえないかくらいの声で
「…大好き」
ってつぶやいたんだ
聞こえたのかは分からないけど、矢田がギュッともっと強く抱きしめてきた
きつくて痛かった
でもこれくらいがちょうど良い
そう思った
矢田の胸の中で窒息死したい
そんなことも考えたらとても矢田が愛しく思えてきた
私の腕も矢田の体にまわした
愛しくて愛しくて…
一生離したくない
そう思ってもっとギュッとした
ドキドキしている鼓動がバレそうだった