線香花火
「今日のメニューきつかったなあ。」
「ほんま。過呼吸なりかけたわ。」
いつもと同じ会話
いつもと同じ景色
いつもと同じ仲間
それだけでよかった。
それさえあれば
あたしは幸せだった。
友達はみんな
だれだれ君がかっこいいだの
誰と誰が付き合ってるだの
そんな話で盛り上がってたけど
あたしには必要なかった。
「そういえば今日クラス発表やん!」
「うっわ、緊張してきたっ」
「はよ着替えて、はよ見に行こ。」
「みなみ!あんたがいっちゃん急ぐんやで!」
「みなみ遅かったらほっていくから~」
「なんでうちだけやねんっ」
別に興味がなかったわけじゃない。
ただ必要なかっただけ。
友達がいて
打ち込めるものがあって
仲間がいて
あほみたいに笑ってる毎日が
だいすきだった。
でも
思えばこのときから
あたしの幸せの在り方は
変わり始めてたのかもしれない。
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