線香花火
あたしたちは
クラス発表の掲示されてるとこに来た。
他の部活の子たちも
今終わったとこなのか
練習着のまま
発表を見にきている。
「あれ、みなみは?」
「置いてきた」
「またか(笑)」
みなみはバレー部の一人。
普段は要領いいくせに
着替えるのが極端に遅い。
ほっていかれることも
よくあること。
嫌や、とか言う割に
マイペースだから
ほっていかれても平気なタイプ。
人が減るのを待ってるうちに
いつものように
のんびり現れた。
「もう見た~?」
「まだー。人多すぎや。」
「ほんまやな。なあ、きい!バレーしよ!」
みなみはそう言って
その辺に転がってたベコベコのボールを掴んで
近くにいた きいに呼びかけた。
きいは本名は和稀
男みたいな名前が嫌いらしく
自他共に 「きい」
名前は男みたいでも
顔はものすごくかわいい。
それでいて
誰に対しても人懐こく
幅広い範囲においてモテる。
…さっきまでばりばり
バレーしとったやんけ!
、という 突っ込みを心の中でしつつも
あたしもちゃっかり参加する。
ベコベコのボールは
バレーにはならんくて
逆に使えないボール相手に
3人でじゃれていた。
「あーむつの名前みっけ」
声がする方を向くと
梓がど真ん中を陣取って
掲示を見ていた。
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