足りない


まさか思ってもいなかった。



後ろに、斧を振り上げた血まみれの女がいるなんて。




あたしは、恐怖で声すら出なかった。




女が、口を開いた。




「………………イ………」


聞き取れない。

二度目はしっかりと聞こえた。



…聞かなければよかった……………



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