マイダーリンは魔王様!?
アチコチ跳ねた、セピア色の髪‥幼さが残る顔立ちは『可愛い』の部類に入る。身長は低めな158センチ、体格も小柄で痩せ型‥着ている制服はブレザーと黒いズボン。しかし、若干制服が大きいのか‥ブカブカだ。学生鞄を背中に背負い、履いているスニーカーは男の子らしいモノ。そして、恭子が一番苦手な‥澄んだ、大きな琥珀色の瞳。コロコロ表情を変えて、いつも自分には満面の甘い笑顔しか見せない。家庭も一般的な、平凡な少年‥彼こそが恭子の悩みの種で‥一つ下の後輩。


名を『真田 月人』と言う。
成績も赤点ばかりで運動神経も鈍い、オマケに結構なドジ。周りからは《ツキ》と呼ばれて、何故か異常に恭子を慕う。先程転んだ事を忘れたかのように、月人はニッコリと笑顔でいた。

「おはようございます、恭子さんっ!!今日も良い天気ですね!!」


何が嬉しいのか、満面の笑顔で恭子を見上げる月人。そうだ、自分は彼の変声期を迎えてない子供っぽい声も苦手なのだと、今更気付く。
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