マイダーリンは魔王様!?
――夢を見た、不思議な夢だ。


美しい桜吹雪が舞う‥無限の大空。それを背景にして、キミは僕に手を差し伸ばす。僕は、廃ビルか何かの屋上にいて‥錆びたフェンスの向こう側。あと、二歩も下がれば‥きっと無限の大空を見つめながら、僕は堕ちていくのだろうね。


キミの顔はよく見えない、かじろうて見えるのは‥毎日見てる弧を描く口元だけ。手を取ろうとしたけれど、僕は躊躇するように手を引っ込めてしまう。


――だって、君色に染まるのが怖いから。
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