マイダーリンは魔王様!?
恭子の不機嫌そうな口調を咎めるわけでもなく、恭水は楽しげに微笑んでいる。


「それくらい、恭子が好きってことなんじゃない?可愛いじゃないか、子犬みたいで。」


「でしたら、兄様が飼ってみては?僕は全力で捨てますが。」

『御馳走様』とキチンと両手を合わせると、控えていた女中が恭子のお膳をサッサと片付けていく。恭子が立ち上がると、控えていた草薙は恭子に学生鞄を渡す。


「では兄様、行ってきます。」

「気をつけるんだよ。」


スタスタと部屋を出て行った恭子に、恭水は苦笑を零す。相変わらず、笑う事が苦手な所が昔の自分ソックリだ‥と柄にもなく感傷に浸った。
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