あなたの笑顔
《 病室 》
 「どうしたの?泣いていたの?
  痛むの?」
風子は、私の顔を見るなり
心配して言ってくれた。
 「ありがとう大丈夫よ。」
私は、風子の顔を見て、作り笑いをした。

 「辛かったわね。期待してたでしょ。
 みっちゃんだけでなく、
 皆の初めての赤ちゃんだから。」

初めての子を流産した翌日に風子は、
私の病室にお見舞いに来てくれた。

「ありがとう。さっきまで母いたのよ。
 だから泣けなくて今やっと一人になれて泣いたの。」



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