あなたの笑顔
 風子にそこまで言われると
断ることもできなくなり、

渋谷に出かけて、
食事をした。

渋谷まで出てくれば、
普通の顔して、
ご飯を食べて、
デザートを食べて、
風子と昔話をして、
さらに、
若い頃一緒に行った旅行の話を楽しんだ。

 帰りの電車の中で。

 「今日は、いい笑顔だった。」
と風子に言われたとたんに、
涙がこぼれた。

 「言えない事、メールしたらいいよ。
 話すと泣きたくなるでしょ。」

 電車の中と言う事で、
泣く事を我慢した。
 
 「泣きたければ、泣けばいい。
 でも 
 メールに心を言葉でまとめてからね。」
風子に
(うんうん。)と頷きながら、
別れた。
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