あなたの笑顔
 少しおしゃれして、待ち合わせのお店に行った。
1度だけ、二人で食事したけれど、
今夜の方が、緊張してしまう。
この間は、ベトナム料理だったけれど、
今夜は、和食。
ひし形のテーブルに二人で座る。
テーブルで向かい合うより、横顔になり、
少し二人の距離が近い。

 「今夜は
 誘ってくれて、ありがとう。」

 「こちらこそ来てくれてうれしいよ。」

 まず、ビールで乾杯して、
お刺身・アボガドサラダ・天ぷらが、
テーブルに並んだ。
次に日本酒をいただきながら、
 「この間会ったのは、いつだったかしら?」
 「『みんなで会おう』と言っておいて、
 二人だけだった時?」
と想い出話から始まった。

 佐々木さんって、ゆっくり話す人だなぁと
感じていたら。
 「なんだか、緊張しちゃうよ。」
 「なぜ?」
 「・・・」
少し間があいて、
少しだけ震えた声で、
少し小さい声で、
 
 「みっちゃん。
 愛しています。
 ぜひ僕と・・・
 結婚してください。
 あなたが、ずっと笑顔で
 暮らせるようにしますから。」

テーブルの下で手を握ってくれた。

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