恋愛テスト

俺の言葉に対して、否定も肯定もせずに、小さく忍び笑いを漏らした有里は、

「デートとやらがどんなものか心配していたけど、思っていたより楽しいものだね。
 君とだからかな」

「デート?」

ただダベりながら帰っているようにしか思えないんだが。

「これだってデートだよ。
 でも、そうだな…。
 君が物足りないというなら、コンビニにでも寄ろうか」

「コンビニ?」

なんでコンビニなんだ?

「一番寄りやすいからさ。
 それにあまり高価なものもないからね」

そう言って悪戯っぽく笑ったかと思うと、

「なんでも好きなものをプレゼントするよ。
 遠慮なくどうぞ?」

「は!?
 なんでそうなるんだ?
 奢るなら俺の方だろ?」

「別にそう決め付けなくていいと思うけどなぁ。
 やっぱり君は古風だね。
 いや、悪いとは言わないよ。
 むしろ好ましいくらいだ」

とにかく、と有里は強引に話題を引き戻し、

「昨日は私のせいでよく眠れなかったんだろう?
 なら、そのお詫びとしてでも今日は私にプレゼントさせてもらいたいんだ。
 ……だめかい?」

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