不登校。
中2の秋、髪が抜ける。
軽く手ぐしをしても、毎回5、6本は抜けてしまう
しらずしらずのうちに、
歩いていても座っていても抜け落ちる髪の毛。
『不規則な生活だったから…』
自分に言う。
部屋には髪の毛が散乱していた。
「ハゲ。頭汚いからハゲるんだよ」
弟なんて要らない
私も要らない…―。
元々髪量は多い方で、正面から鏡で見る限りでは、見た目に代わりはなかった。
髪を洗っていた時、いつものように多くの髪の毛が手に絡まり、流れて行く。
「…あれ…」
頭の後ろのてっぺんの部分の、髪が無い。
円形脱毛…。
鏡に写る自分を見て泣いた。
心がいっぱいなのは自分でも分かってた
無気力
死にたい
話をしたくない
夜は寝ない
一日中携帯ばっか
学校からは
「早くおいで」
母親からは
「中卒でどうするの」
弟は相変わらず邪魔者扱い。