球地で…―心を探して―
【むっ ササ=リトエントめっ。甘く見すぎたようだ。俺の催眠だけでなくカナト王子まで完璧に元に戻したとは…。
心とは…本当の心とは人と人の間にできて…通い合い、ふれあい、暖かさのコト…。まぁどうでもいい。俺にはそんなものは必要ないからなっ。】

『…ミュユラ……悲しかったんだね…』

【俺は…俺は悲しいと思ったことなんて一度もねぇょ!】

『辛かったんだね…』

【それもねぇな】

『くるしかったんだね…』

【あぁ!!何が言いてぇんだよ!!俺はなぁっ!】

私をミュユラを抱きつかんだ…

私の服は水色の服に変わっていた

ミュユラは…人間の姿に…

【水龍姫…ウォール・リトエント様…?】

『もぅ一人じゃないょ。ミュユラ…だって もぅ ココには心があるから…だから…だから もぅ辛くも苦しくも寂しくもないよ』

【ウォール様…】




〔そぅだ…昔…俺は水龍姫ウォール=リトエント様の使いだった…使いとは言え…ウォール様を愛していた。
しかし守りきれなかったんだ…もぅ一人の使いが裏切り今の俺のように心を見失い闇に取り付かれてしまった…。そしてそいつがウォール様を…
それから俺は一人孤独だった…ウォール様を失った苦しみ…辛く・寂しい日々だった…だから心を見失ってしまっていた。そして闇に飲み込まれ俺は魔物になった…でも今は……〕

[ミュユラ。もぅ苦しまなくても良いのですよ。]

【水龍姫ウォール=リトエント様】

[これからは…ササを…ミュユラ、わたくしの子孫を頼みます。ミュユラ…]

【ウォール様!!!!】

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