【番外編】桜色~叶わぬ恋~
下の名前で呼んで良い。
それに俺は浮かれすぎていた。
体育の授業で怪我をした俺は三咲に手当てをしてもらっていた。
詳しくは・・もうすぐしてもらうところだったけど。
『失礼しますッ!』
いきなり体育の先生の板橋先生が保健室に入ってきた。
『三咲!』
どうしたんだろう、そう思っていたら先生は三咲を大声で呼んだ。
このとき、なんだか嫌な予感がした。
『な、んですか?』
三咲が不可解そうに先生を見る。
『いや・・・なんでもない。』
『先生、これどーぞ。』
汗をかいた先生にハンカチを差し出す三咲。
その光景にモヤモヤした気持ちが浮き上がる。
なんだろう、この感覚。
なんだろう、この気持ち。