風になったアナタへ
半円の端にカップル、その横にシステムエンジニアを目指す大学院生、その隣にリン、そして文学と哲学を専攻しているジョーという名の大学院生、その隣に私は座った。必然的に、私の話相手はジョーと言う男性になった。
私は、いわゆる合コン的な場所というのをひどく苦手としていたから、席に着いた時から憂鬱だった。自分勝手な希望が通るなら、私はリンの隣に座ってリンとだけ話していたかった。ろくに酒の飲めない私には、既に酔っ払っている知らない異性と楽しく話すなんて、もってのほかの話なのだ。
「何の香水付けてるの? いい香りだね」
私は、いわゆる合コン的な場所というのをひどく苦手としていたから、席に着いた時から憂鬱だった。自分勝手な希望が通るなら、私はリンの隣に座ってリンとだけ話していたかった。ろくに酒の飲めない私には、既に酔っ払っている知らない異性と楽しく話すなんて、もってのほかの話なのだ。
「何の香水付けてるの? いい香りだね」