風になったアナタへ
私の家族の話、飼っているペットの話、私がアメリカの大学へ進学した動機、大学での勉強についてなど、矢継ぎ早に質問が飛んできた。

スウィリーズという名の煉瓦作りのアットホームなイタリアンレストランで、楽しそうに笑う母娘を前にして、私は日本いる母のことを思い、少しだけホームシックになった。それを感じ取ったのか、パトリシアは、

「日本にいるあなたのお母さんは、あなたが側にいなくて寂しいでしょうね。あなたも寂しくなったりしない?」

と私に優しく尋ねた。

「私、あまりホームシックにはならないんです。学校の勉強も忙しいし、リンみたいな仲の良い友達もいるし。それに、今日だって、こうして特別に誕生日を祝ってもらってるし」

私は自分の素直な気持ちを答えた。
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