風になったアナタへ
「私は、『いつか』じゃなくて、2年後のクリスマスに行きたいのっ。日本へ行ったら、たくさんショッピングしたいし、葉月の家の犬や猫も見たいし、東京ディズニーランドにも連れて行ってもらうの。あー、早く行きたいっ。ねえ、ちゃんとアルバイトして頑張るから行ってもいいでしょ?」

リンが、あまりにも興奮しながら言うので、私とパトリシアは、顔を見合わせて吹き出した。

その夜、私は、日本の母へ電話をかけて、ニ人のことを話した。

「素敵な人たちと知り合いになれて良かったわね。本当に日本に来てくれるといいわね」

「うん。少なくともリンは必ず来るよ。だって、リンったら2年後のクリスマスに向けて、バイトして貯金してるみたいだし、日本の話になると子供みたく興奮するし」

「じゃ、楽しみね」

「うんっ」

電話を切る直前、受話器の向こうで父親と弟達が笑う声が聞こえた。受話器を置くと、急に家族を恋しく思う自分がいた。
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